薫子、まるこに思う事

薫子、母の形見のかんざしをペンダントにリメイクして貰った。
石は、メノウ、水晶、象牙である。
薫子の宝である。
去年も、母の形見の真珠のネックレスをリメイクして貰ったが、スレンダーだった母の首には薫子の首にはきつくてはめられないのでまるこに譲る約束である。
母の着物と、貴金属はどんなにお金に困っても売らず、薫子の子供であるまるこ、息子の嫁から嫁、子から子へ残して母の思いを大切にするつもりである。
昨日、百貨店もどきの大きなお店のお祭りで安売りだった。
給付金も入ったが、今まで辛抱させてた子供達の為に全て使い、我ら夫婦は我慢である。
亡き母が、薫子に良く言ってた言葉が脳裏をよぎる。
薫子ちゃん、薫子ちゃんの結婚する人はお母さんの目の黒いうちは、お母さんが決めた人とでないと結婚しては駄目よと。
薫子も、結婚して旦那様、子供達には恵まれたがこの不況で旦那様の仕事は超ハードで休みも減り、お給料も減ったのだ。
今まで、お金の事は旦那様と辛抱して、子供達にも可哀想な思いさせたが、逆に子供達は逞しく育ってくれたと思う。
しかし、娘であるまるこだけには結婚してお金の苦労はさせたくない。
だから、昨日まるこに言ったもんだ。
まるこは、ナイスバディになってスーパモデルになって、男共の中からお金持ちを選んで玉の輿にのりなさいと。
まるこ曰く、ママもやっぱりそう思う?と。
世の中、お金が全てではないが可愛い娘にだけは薫子と同じ苦労は味合わせたくない。
まるこは、お菓子作りも料理も上手。
後は、言葉使いとたしなみだけかな?
目指せ、プリティウーマンなのだ。
あー、これだけ書いたらすっきりした。