まること、やっと叔母の施設に行く

入所施設は、三階建で全て個室で、食事だけサロンでみんなで食べるそうな。
職員さん達みなさん、行き届いており優しくて薫子安心した。
まるこに会いたがっていた叔母に、おばあちゃんは変な臭いがするから嫌だといつも言っていたので、加齢臭の事を説明したら納得して着いて来た。
部屋は広く綺麗で、自宅から椅子やラジオを持って来ていたが、箪笥等は買ったそうだ。
家に帰りたい様子であったが、足の具合が凄く悪く叔母は自宅に帰るのを諦めているようだったから、薫子が励ましたが・・・。
薫子の方が悲しくなり、涙ぐんでしまいまるこに叱られた。
叔母から、薫子にと、いつものようにガラスの花瓶を貰う。
叔母が、箪笥まで歩いていき、箪笥の引出しからお財布を出し、テッシュで包んで「お兄ちゃんと半分分けにしなさい」とお年玉一万円をくれたので、思わず「ママにも分けて!」と言うと、叔母から「あんたは、持ってるでしょう
」と言われて悲しい薫子であった。
暫く、ヘアカット行ってないので行きたいと思ってたのに・・・。
帰る時、「又、時々来るね」と言うと、「こんな面白くないと来なくていいわよ。」と落胆して言う叔母。
だから、薫子が言える範囲の言葉で励まして帰った。
又、時々顔を見せようと思った薫子であった。