帰ってきた茶太郎

タイガーとなって外の世界に旅立って行った茶太郎。
ここ半年まえくらいから、時々裏庭に現れてはお兄ちゃんが餌を少し持っていくと食べてすぐ帰ったり、
まおと親子の戯れを見せたり、鳴き声がするので、茶太郎かと思い窓を空けると、すぐ帰って行っていた茶太郎。
昨夜は、いきなり茶の間に上がって来た!
子供達は、大喜びである。
まるこなんて、すごい喜びようであった!
茶太郎は、暫くしてキッチンへ行き、餌を食らい出す。
食べるというより、食らうという表現通り、食らいついて食らいついて離れなかった。
余程、外の世界で、食べるものがなかったのだろう。
暫く、食らいついた後キッチンをうろうろして、茶の間に行き、外の世界に帰って行った。
子供達は、茶太郎またおいでねと送りだした。
やはり、猫でも産まれた家は懐かしく覚えていて帰って来ていたのだろうと、いつも茶太郎が顔を見せに来る度にみんなで言っていた。
しかし、昨夜は、家にいきなり上がるとは余程お腹が空いていたのだろう。
そして、暫くとどまってうろうろしていたのも、我が家が懐かしかったんだろうなあと感じた。
しかし、毛並みは荒れてざらざらであった。
かおは、昔に比べふっくらして、引きしまった身体ではなかった。
少し、悲しかった薫子であるが、なにはともあれ産まれた家を覚えていて時々思い出したように帰って来てくれる茶太郎が売れしい薫子だ。
茶太郎、外の世界のタイガーとして頑張って生きていてね。